今回は、個人事業など企業、独立の際に必要となる確定申告について、青色申告と白色申告の2種類から選ぶわけですが、この2つの違いが分からなかったり、どっちにした方が良いのか?など選び方についてまとめていきます。
この記事を読むことで、
- 青色申告と白色申告の違い
- メリットとデメリット
- 具体例を使っての税金の違い
についてが分かります。
もし青色申告を選ぶ場合は、個人事業主としての開業届けを出す際に一緒に提出する必要があるので、この記事を参考にどちらにするか検討してもらえればと思います。
それでは早速、下の目次に沿って紹介していきたいと思います^^
青色申告と白色申告の違いは?
まずはじめに、いきなり細かいことを書いても頭が混乱してややこしくなると思うので、とりあえずざっくりとした違いを先に書きますね^^
それで簡単イメージを持ったところで、細かい話を進めていきたいと思います。
- 青色申告:手続きがややこしい代わりに税金対策ができる
- 白色申告:簡単な手続きで済む代わりに青色ほどの税金対策ができない
こんな感じです。
なので、青色申告と白色申告でどちらにしようかな?
という場合は、一つの目安として「収益」が分かり安い目安となります。
という方の参考になるアンケート結果を持ってきたので、載せておきます。
- 所得300万の場合:白色申告33%、青色申告49%
- 所得300万~500万円の場合:白色申告32%、青色申告56%
- 所得500万~1000万の場合:白色申告27%、青色申告67%
- 所得1000万以上の場合:白色申告20%、青色申告77%
このように、収益が上がるほど税金対策の効果も高くなるので、稼げば稼ぐほど青色申告の方がメリットがあるという事になります。
さわりの部分はこれくらいにして、より細かく「白色申告」と「青色申告」の違いについてメリットとデメリットをまとめていきますね。
青色申告と白色申告のメリットとデメリット
では先に青色申告のメリットとデメリットから紹介します。
▼青色申告のメリット
- 青色申告特別控除(最大65万円)
- 赤字の繰越が3年間有効
- 家族への給料が経費になる
▼青色申告のデメリット
- 開業届けを出すタイミングで申請する必要がある
- 確定申告用の書類が増える
- 帳簿や経費などの管理がめんどくさい
青色申告を選ぶ場合は、家族に手伝ってもらって給料を払う予定があったり、最初から節税するだけの収益を上げれるかどうかという所がポイントになるかと思います。
では次に、白色申告のメリットとデメリットについてです。
▼白色申告のメリット
- 申請無しで大丈夫
- 確定申告用の書類が少なくてすむ
- 帳簿や経費の管理が簡単
▼白申告のデメリット
- 青色申告にあるメリットが適用されない
白色申告の場合は特に申請する必要がないので、開業後ほっといてたら自動的に白色申告になります。
ここまでが、青色申告と白色申告のメリットとデメリットから見る、2つの違いとなります。
具体例を使って、それぞれの違いを見てみましょう!
【具体例】青色申告と白色申告により節税効果の違い
では早速、税金対策に関係する重要な部分を解説していきますが、所得税を計算する際の公式ががあるのでまずはそちらから紹介します。
基本的な所得税の計算方法
- 収入-必要経費-各種控除=課税所得金額
- 課税所得金額x税率-課税控除額=所得税額
まずは、課税所得金額を出してから、所得税学を出すという流れになります。
この時点で、漢字ばかりのでややこしくなってくるので、ちょっと難しい話になりますが、できるだけ簡単にする為に、一旦一つ一つがなんなのか?という事を書いておきますね。
・必要経費:仕事に関係することに使ったお金
・各種控除:一律で引かれるお金
・課税所得金額:税金がかかるお金
これでちょっとイメージしやすくなりましたかね^^
ただ料理を作る為に、材料や道具を購入した場合に「経費」がかかります。
なので、お店の売り上げ(収入)から、経費や控除を引いて残ったお金が利益となるので、まずはその完全な利益の部分を計算して出します。
これが、課税所得金額です。
その税金を出すのが②の計算式ですね。
ここからまたちょっとややこしくなるので、具体的な数字を出して計算例を出します。
白色申告での具体例
例)所得金額が300万円で、経費が50万円、各種控除が38万円で例を挙げます。
300万円(収入)-50万円(経費)-38万円(各種控除)=212万円(課税所得金額)
こうなりますね!
次に、②の計算式で実際にかかる税金を出すわけですが、
②課税所得金額x「税率」-課税控除額=所得税額
この税率は、現時点の消費税の8%をかけるわけではありません。
この税率は所得金額に応じてこのように設定されています。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円~1800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円~4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
この表を見ると、300万円の場合は「195万以上330万円以下」が適用されるので、
税率は10%+控除が97,500円となります。
これを上の計算式にはめ込むと!
212万円(課税所得金額)x0.1(10%)-97,500(控除)=所得税額
2120000x0.1=212000
21,2000-97,500=114500円
というわけで、114,500円の税金を払うという事になります。
つまり、白色申告の場合に支払う税金は114,500円という事になります。
青色申告での具体例
次に青色申告の場合の具体例を挙げます。
青色申告の場合は、手続きが面倒な代わりに節税効果に関するメリット(特別控除65万円)があると書いていたのがここで分かります。
それでは白色申告と同じ
例)所得金額が300万円で、経費が50万円、各種控除が38万円で例を挙げます。
まずは課税所得金額を出します。
300万円(収入)-50万円(経費)-38万円(控除)-65万円(特別控除)=147万円
次に所得税額を出します。
147万円x0.05(税率)-0(控除)=所得税額
1470000x0.05=73,500円
最終的な金額だけを比較すると、
白色申告の場合は、114,500円
青色申告の場合は、73,500円
なので、今回挙げた例の場合は青色申告にする事で、41,000円の節税効果があるという事になります。
これを見て、「な~んだそんなもんか」と思うかもしれませんが、収入が増えれば増えるほど掛ける税率が上がりますので、この節税効果も高くなるという事になります。
なので、
・収益が低い場合は大して変わらないから白色申告を選ぶ
・収益が増えてきたから青色申告にする
このように変更して一番お得な方法を見つけるという流れになります。
より細かい話をすると、青色申告の65万円控除を受けるための条件だったり、控除額の詳細などがありますが、基本的には今回解説した内容で白色か青色か?という判断の目安は掴めると思うのでここまでにしたいと思います。
青色申告と白色申告の違いとどっちが良い?まとめ
というわけで、今回は個人事業主として企業・独立した場合に最初にぶつかる壁だと思う、確定申告の方法について、
という疑問に対してまとめてみました。
結論は最初に書いた通り、
- めんどくさくても良いから節税したいなら青色
- 収入も少ないし楽したいなら白色
これがざっくりですが、結論となります。